i-mode Essay july 2

 ところで、将棋盤の足が 梔子 (くちなし)の実の形をしていることはご存知でしょうか。 一重咲きの梔子の花は赤い実をつけるのですが、熟しても実が裂けない(口を割らない)ので、 この名が付いたそうです。転じて「口出ししない」という意味で勝負事の世界では採用されて いるのですが、実や花の姿はそれほど美しいものではないと思います。むしろ街角の垣根に 梔子の花を見つけるとき、惹きつけられるのは、その甘い馥郁たる香りです。雨上がり、 この白い花弁を見つけたら、傍で思いっきり深呼吸をしてみることをお薦めします。 劣

 富士の東、筑波の西なる坂東の地で、夏の訪れを知らせる味は色々あります。 中でも食卓の脇役ではありますが、けっこう捨てがたいのは「谷中生姜」でしょう。 できるだけ細いのを選ぶのがコツですそして、味噌を多めにつけてガブリ…これに尽きます。 酸味と苦味と渋味がわずかな時間差の内にのどの奥まで駆け巡ります。鮨屋のガリとも、おろし生姜とも、ましてやジンジャーエールとも違う(これも考えたら生姜汁ですよね)清涼感がけっこう幸せな 気分にさせてくれるのです。



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